救い主の系図

 アブラハムの子、ダビデの子、イエス・キリストの系図。

アブラハムはイサクをもうけ、イサクはヤコブを、ヤコブはユダとその兄弟たちを、ユダはタマルによってペレツとゼラを、……

サルモンはラハブによってボアズを、ボアズはルツによってオベドを、オベドはエッサイをエッサイはダビデ王をもうけた。

ダビデはウリヤの妻によってソロモンをもうけ、……

ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。

(マタイ1 : 1-1 7抜粋)

マタイ福音書冒頭のイエス・キリストの系図です。系図は旧約聖書になじみのない人にとっては、退屈きわまりないものです。しかしイスラエルの人々は系図を大切にしてきました。自分たちの民族から、将来救い主が誕生すると予告されていたため、部族や家系を重んじていたのです。

だから、マタイ福音書の最初の読者であるイスラエル人に向けて、イエスがアブラハム、ダビデから続くイスラエルの本流に属するお方であり、救い主であることを伝えようとしたのです。

この系図の特徴は、通常古代の系図に記されない女性の名前が挙げられていることです。5名の女性のうち最初の4名には、それぞれに有名なエピソードがあります。

3節のタマル。彼女は子孫の残すために策略を立て、義理の父ユダとの間に子をもうけました。(創世記38章)

5節のラハブ。異教の町エリコに住む異邦人で遊女でしたが、まことの神様への信仰と功績によりイスラエルの民に加わり、ダビデの先祖となりました。(ヨシュア記6章)

同じく5節のルツ。ルツ記に記されてありますように、異邦人でしたがその信仰と高潔な生き方により、イスラエルの一員となりダビデ王の先祖となりました。

6節のウリヤの妻。ウリヤの妻とはバトシェバのことです。ダビデとの不倫関係を思い起こします(サムエル記下11章)。

このように4人の女性たちには特殊な事情がありました。この系図から見えてくることは、男女を問わず、人間の弱さや罪、過ち、悔い改めと信仰、そしてそれを覆う神様の忍耐やあわれみと恵みを読み取ることができます。

神様はこうした人間の世界に、救い主を遣わしてくださいました。救い主は5番目に挙げられた女性マリアからお生まれになりました。ダビデの家系から救い主が生まれます。神様はそのお約束を実現なさるお方です。

私たちもまた、約束を実現なさる神様を信頼し、生きていきましよう。