日本キリスト教団常陸大宮伝道所

 サムエルは油の壺を取り、サウルの頭に油を注ぎ、彼に口づけして、言った。「主があなたに油を注ぎ、御自分の嗣業の民の指導者とされたので…主の霊があなたに激しく降り、あなたも彼らと共に預言する状態になり、あなたは別人のようになるでしょう。これらのしるしがあなたに降ったら、しようと思うことを何でもしなさい。神があなたと共におられるのです。 (サムエル記上1 0 : 1 、6-7 )

 サウル王は、旧約聖書を読んでいる私たちには、ダビデの命を付け狙う「悪い王」というイメージがあります。しかし、サウルが選ばれて初代の王となった経緯を知ると、むしろ「選ばれるべくして選ばれた王」ということが分かります。サムエル記を読み進めながら、サウルがいかに逸脱してしまったか、を知るのも興味深いことではないかと思います。

 さて、サムエルは王を求める民の願いに応えるべく、行動しておりました。それに該当したのが、キシュの子サウルでした。彼は、高身長の美男子で、父のもとで親孝行な息子として生活していました。父の所有するロバが数頭いなくなり、それを探して若者を連れてあちこち歩き回りました。けれども見つけることが出来ず、帰宅しようとしたときに従者だった若者から神の人(サムエル)に会いましょうと提案されます。このような下からの提案が思いもよらぬ効果をもたらすことになります。(シリアの将軍ナアマンの癒やしの時も家来のとりなしがありました。)なぜなら、この時、主がサムエルに明日、王の候補者に出会うことを告げたからです。

 そして、サウルに出会ったサムエルはろばの事は解決済みだと伝え、食事を共にして、翌朝心にかかったことを話し、油注ぎを実行します。それからサウルのこれからの行動を指示し、それがことごとく実行されます。その中で特筆すべきは、主の霊がサウルに降って預言者のようになったことです。まさに「新しく作り変えられる」経験をしました。

 同時にサムエルは王選出の為に、全部族を呼び寄せくじ引きをし、そして最終的にサウルがくじで選び出されます。けれどもそこでサウルの姿が見当たりません。なんと荷物の間に隠れていました。 こでもサウルが「私が私が」と自分を主張する性格でなく、謙遜な性格であることが分かります。「皆彑いに謙遜を身に着けなさい。なぜなら、『神は、高慢な者を敵とし、謙遜な者には恵みをお与えになる』からです。」( Ⅰベトロ5 : 5 )の御言葉を思い起こします。彼が選出され、「王様万歳」と喜びの声があがる一方で、「こんな男に我々が救えるか」と侮った人達がいました。「だがサウルは何も言わなかった」とあり、サウルの性格の良さが分かります。

 サウルの選出を読むと、私たちも「こんな私」と自己卑下することはないんですね。主は必要な時に、必要な人を召し出し、使命を与えられます。

「わたしについて来たい者は、自分を捨て、日々、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい。」(ルカ9 : 2 3 )と主イエスはおっしゃいました。主は私たちに自分の十字架(使命)を背負いなさいと。私の使命は何だろうか?祈って示され、主と共に、喜びつつ歩んでまいりましよう。

 

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