日本キリスト教団常陸大宮伝道所

それで、わたしは、あなたのなすべきことを、キリストの名によって遠慮なく命じてもよいのですが、むしろ愛に訴えてお願いします。年老いて、今はまた、キリスト・イエスの囚人となっている、このパウロが。監禁中にもうけたわたしの子オネシモのことで、頼みがあるのです。・・・

だから、わたしを仲間と見なしてくれるのでしたら、オネシモをわたしと思って迎え入れてください。彼があなたに何か損害を与えたり、負債をおったりしていたら、それはわたしの借りにしておいてください。わたしパウロが自筆で書いています。わたしが自分で支払いましょう。あなたがあなた自身を負うていることは、よいとしましょう。そうです。兄弟よ、主によって、あなたから喜ばせてもらいたい。キリストによって、わたしの心を元気づけてください。

(フィレモンへの手紙8-10,17-20節)

 

 新しい年の初めに、私たちは愛に満ちた手紙を読みたいと思います。

 パウロが監禁されている時に救いに導いた逃亡奴隷のオネシモを、その主人であるフィレモンへ送り返すべく、したためた手紙です。パウロはご存じの通り、クリスチャン迫害の先頭に立って進んで行ったダマスコ途上で主イエスに出会い、するどい光に射貫かれて一時盲目状態でありました。そして再び目が開かれてからも、若干視力が弱く、読むにも書くにも少々難儀していました。しかし、今回は一生懸命オネシモを思い、自筆で手紙を記しました。パウロの思い入れの強さがわかるところです。

 そして、オネシモについては自分の傍に置いておきたいけれども、フィレモンへ返すのが自然のことに思えて今回の手紙になりました。そして以前は奴隷であったオネシモを「愛する兄弟」と言っています。この身分制度がはっきりとあった時代に、奴隷以上の者として扱うというのはかなり思い切ったことです。そしてパウロにとってそうであったように、フィレモンにもそうしてほしいと願っています。「オネシモをわたしと思って迎え入れてください。」と書いています。パウロは自分のオネシモへの愛が、フィレモンにも起こるように願っています。

 このようなことが出来る鍵は次の言葉です。「兄弟よ、主によって、あなたから喜ばせてもらいたい。キリストによって、わたしの心を元気づけてください。」私たちが神様の視点を持つ、ということです。和解という愛の実践をするには、私たちが主イエスの十字架愛によって既に赦されているから出来るのですね、ということなのです。私たちには、到底赦せないという事やあの人に関しては赦せないという思いがあるでしょう。しかし、主イエスがどれほどの愛をもって私たちを赦し、罪の奴隷であったところから、新たに自由人として生きられるようにしてくださったか、それをもう一度心に刻みたいと思います。パウロは負債があれば自分で支払いましょう、とまで言います。ここまで言うのかパウロは、と驚嘆します。と同時に私たちにも、その人を活かし歩み出させる為には何が出来るか、それを考え、実行することが求められているように思えます。祈りましょう。「主よ、和解するという愛の実践に私を進ませてください。」

 

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