日本キリスト教団常陸大宮伝道所

 彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て喜びにあふれた。家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げが会ったので、別の道を通って自分たちの国帰って行った。

(マタイ2: 8-12)

 ユダヤの人々と同じように、星を観察していた東方の学者たちもまた、救い主の誕生を心待ちにしていました。だからこそ、その星を見て、わざわざ遠くからやってきました。エルサレムの王宮に行って「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか?」と訊きました。「王」ならば王宮にいるに違いない、とまずはそこを訪ねた訳です。しかし、王を始めとして、そこにいる人々は「救い主の誕生」には関心がありませんでした。だから学者達の「王うんぬん」の言葉には、不安をかきたてられるばかりでした。そして預言書を調べて、どうやらユダヤのべツレヘムらしい、というところまで突き止めました。ヘロデ王は自分の王座をおびやかす存在に脅威を感じました。だから亡き者にしようと考え、学者たちに「その子が見つかったら知らせてくれ。私も行って拝もう。」と言います。気づかずに過ちを犯す人がいる一方で、その意図を隠して悪を画策する人がいます。まるで良い事をするかのように偽って、悪事をなそうとした訳です。だから、幼子を礼拝した学者たちはお告げ通り、ヘロデのもとへ帰らず、自分たちの国へと帰って行きました。

 ここで救い主の誕生という場面で、人間は2通りに分かれることが示されています。何も持たない羊飼いたちにとって、救い主の誕生は「喜びの知らせ」そのものでした。しかしたくさんのものを持っていたヘロデ王は、それを失うことを恐れ、救い主の誕生にも不安を覚えています。富や権力などで救いの光がさえぎられています。私達はどうでしようか?救い主の到来で、自分の生活が変えられることを喜んでいるでしようか?

 また博士たちは、貴重な贈り物を携えてきました。王様のしるしとしての黄金、祭司が祈りをささげる時に使う乳香、また葬りの際に防腐剤として用いられる没薬、これらは主イエスのご生涯を現しています。王様として生まれ、神様と人間とをとりなす祭司としての働きをし、最後に死をもって生涯を全うすることが示されています。神様が意図した主イエスのご生涯そのものです。幼子を礼拝した博士たちは別な道を通って帰りました。

 私達の罪のために十字架にかかってくださったイエス様。博士たちと同じく、喜んで礼拝し、信仰を新たにしたいものです。主に出会って、それまでのように生きるのではなく、別な道を歩み出す。年の初めに、そのような信仰の決断をしたいものです。そして博士たちのように、大切なものをささげて生きる。また、ささげることを通して、不安ではなく安心を得て、喜んで生きていくのです。主はそれを望んでおられます。


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